CADと設計について考える
FND総統です.
この記事はMice Advent Calender 2017の12日目の記事になります.
当初は2017年度マウス『Vermilion』の紹介を行おうと思っていたんですが,他の人の記事を読んで別のネタを書きたくなったので紹介はまた今度にしたいと思います.
今回の記事はロボットを作るにあたって欠かせないツールの一つであるCADと,それを用いて行う設計について考えたいと思います.
事の始まり
↑諸悪の根源
そもそもなんでこの記事を書こうと思ったかって話なんすけど,皆さんKiCadってご存知ですか?
うんまぁこれを読んでる人なら大体の人は知っているCADだと思うんですが私はこのCADが嫌いです.理由は以下の通り.
- インターフェースが統一されていない
- 操作が直感的でなく覚えづらい
- ライブラリの管理がやりにくい
- KiCad.jpのエゴサ
多少主観が入ってますが俺がこう思ってるんだから俺にとってはこうなんや文句あるんか.
んで最近Eagleに乗り換えたんですが使いやすい… 大体3,4日くらいで使い方を覚えられるくらいには使いやすい印象です.
ということでここ最近「KiCadはクソ!Eagleはいいぞ!」を連呼していたら後輩に「自分たちもEagle使った方がいいんですかね?」と聞かれ,それをきっかけにちょっとCAD(と設計)について考えてたことをブログに書こうかなと思ったわけです.
CADとは
この記事を読んでいる人にはもう説明は不要かと思われますが,とりあえずどういう意味なのかインターネットで調べてみました.(大学生特有のクソプレゼン導入感)
《computer-aided design》コンピューターを利用して行う機械や構造物の設計・製図。また、その機能を組み込んだコンピューターシステムやソフトウエアを指す。このデータを基に数値制御の工作機械を操作するCAM(キャム)とあわせて用いられることが多いので、まとめてCAD/CAMと呼ばれることもある。シーエーディー。コンピューター援用設計。
つまりはコンピューターの力を用いて設計をラクに行うことができるようになるシステムの事だそうです.
CADの本質は設計作業を補助して作業者の負担を軽減することにあるわけですね.
ここで先ほどのKiCadがクソな理由を見てみるわけです.
- インターフェースが統一されていない
- 操作が直感的でなく覚えづらい
- ライブラリの管理がやりにくい
なんということでしょう.設計者を補助するどころか設計作業を妨害する要素があるではありませんか.紙とペンの方がマシですよホンマ.
特にライブラリの管理のし辛さは自分にとっては致命的で,高校生の頃から使てるのに毎年使い方を忘れるという.
流石に自分の記憶力が悪いのかと思ってたんですが周りのKiCadユーザーもしょっちゅう使い方を忘れるらしく,また自分が使ってる他のCADに関しては別段使い方を忘れるわけではないのでやはりKiCadが特別人間に馴染みづらいんだと思います.
どうCADを選ぶか
ここまでKiCadをこき下ろしていると「なんだただのKiCadディスり記事か」と思われるかもしれません. まぁ実際そうだけど.
じゃぁ周りのKiCadユーザーも須らくEagleなり別のCADに移行すべきかと言われると私はそうは思いません.
実際,後輩にEagleを使いべきかと聞かれたときに,私はKiCadのほうがいいと言いました.その背景はこのようになっています.
まず,私の所属しているサークル,Miceでは今KiCadが主流となっています.
ちょっと上の代はEagleを使っている人もいましたが,自分の代から下は殆どKiCadです.質問してきた後輩はマイクロマウスをまだ作ったことのない初心者で,回路CADの経験が浅い子です.ここでもしCADの使い方で詰まった時に,周りで使ってる人がいないとなると聞ける人がいません.初心者の人で大学サークル等に入ってる人は一番普及してるCADを使えば誰かしらに聞けるのでオススメです.
正直Eagleくらいなら調べれば自力で使えるとは思うんですが,そもそもCADの使い方が分からない人はCADの善し悪しが分かりません.そういった状態で「このCADはクソだから使うな」と言われても,自分でクソかどうかを判断する基準を持っていないのでっちを使っても使い心地は変わらないはずです.それならばよりCAD操作に馴染みやすい環境に置かれている方を選択すべきであると私は考えます.そして慣れてきてCADが使いづらいと感じたら移行すればいいんです.
そんじゃぁ慣れてる人はどうすんのってなりますが,そりゃぁもう自分が使いやすいと思うやつを好きに使ってくださいな.
CADというのは所詮設計をアシストするツールでしかありません.いいCADを使ったとしてもいい設計ができる訳ではありません(これ重要).
自分が使いやすいと思うCADを選びましょう.
…というのも何ですから個人的なCADへの雑感を書いていこうと思います.CAD選びの参考にしてください.
機械CAD
〇Autodesk Inventor
私が愛用している機械CADです.まぁこれを選んでおけば間違いはないと思います.
普通に使うとべらぼうに高い金額を払わないと使えないCADですが,学生は無料ライセンスがあるので問題ありません.ただし欠点としてはドキュメントが少ないので周りに使ってる人がいないと詰まった時大変なことが挙げられます.
〇Autodesk Fusion360
同じAutodeskの製品です.リンクにもある通りCAD以外にもCAMやCAE等の機能も統合されており,設計から製造までこのツール一つでできる(という触れ込み)なのが特徴です.
が,個人的にはInventorの方が使いやすいかなぁと思います.複数パーツをアセンブリした設計だと色々不都合が起こってあからさまに作業効率が落ちるので…
とはいえ,Inventorと比べて書籍やインターネットなどで調べればたくさん情報が出てくるのでCAD初心者はこちらの方がいいかもしれません.
知ってるけど使ったことないからわかんない.知り合いのチリ人はInventorの方が使いやすかったって言ってた.使ってる人いたらおしえてください.
〇Design Spark Mechanical
https://www.rs-online.com/designspark/home-jp
シェーディングが安っぽい. 以上.
〇JWCAD
建築用の2次元CADとしては最も有名なCADです.ここまで3次元CADが続きましたが,3次元CADに抵抗がある方はこちらのCADがオススメです.書籍やサイトも充実しているので安心.
回路CAD
〇KiCad
kicad.jp | オープンソースのPCB CAD『KiCad』の日本ユーザ コミュニティです。
俺は二度と使わねぇからな
〇Eagle
王道を行く回路CAD.最近Autodskに買収されFusionとの連携ができるとかできないとか.ドキュメントが充実し(以下略)
〇Quadcept
最近気になってるCADです.有償版が比較的安価に使えるほか,無償版もそれなりに使える性能らしいです.実際自分が使ったわけではないので知りませんが…
どうやら先輩が20日の記事でQuadceptの紹介をするようなので期待しましょう.
〇PCBE
回路図を書かずに配線図を引き始める変態が使ってるCAD
最後に
色々書きましたが,まとめると私が言いたいのは以下の通りです.
- CADは設計を支援するツールであり,それ以上でもそれ以下でもない.
- 初心者は習得しやすい環境を選び,とりあえず設計してみよう.
- KiCadはクソ
皆さんも自分に合ったCADを選んでよい人生を歩みましょう.
明日13日は,べし氏の『未定(DC初心者用に足回り設計に関して書くかも)』です.お楽しみに!!!!!!!!!!!!!!!!!!